圧縮速度
compression velocity
一般的に圧縮速度があまり速くない場合セラミック成形体に与える影響はほとんどないが,速すぎるとラミネーション(加圧方向に直角に起こる層状はく離)や成形体密度の不均質性をもたらす。セラミックスの成形で圧縮速度が特に問題となるのは,アイソスタティック成形における成形スケジュール,すなわち粉体を圧粉化する昇圧過程,圧粉体内部を均一化させる最高圧保持過程および降圧過程の制御である。昇圧過程では粉体の収縮に追従して粉体とゴム型は密着しながら加圧されており,昇圧速度が速すぎると急速な緻密化と通気率の低下により内部に空気が一部閉じ込められてラミネーションが起こることがある。降圧過程の制御は重要で,特に 10 MPa 以下の低圧領域ではゴム型の復元とともにゴム型が圧粉体より離脱し,このとき圧粉体中に圧縮されていた空気も放出されるため,衝撃力で圧粉体を破壊することがある。実際にはゴム型の復元する速度が一定となるように降圧速度を制御することが望ましい。
→ アイソスタティック成形,ラミネーション
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