粒状体あるいは小塊状の粉体充塡層を,重力あるいは機械的な機構により水平または垂直にゆっくり移動させる移動層に,流体を透過し固気,固液または固固反応を行う装置。垂直移動向流接触型の移動層反応装置としては,製鉄用高炉,セメントや石灰石焼成用のシャフト炉などが代表例である。また,十字流接触型では,水平移動型が鉄鉱石の焼成や硫化亜鉛鉱の焙焼などに広く使用されている。垂直移動向流接触型は,固体と流体の接触効率が高く反応効率も高いが,ガス流速を流動化開始速度以下に抑制する必要がある。水平移動式十字流は,滞留時間は多くとれるが,反応率は固定層に近いなどの特徴があり,目的に応じた構造設計が必要である。
執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/6/7