液体の架橋によって生じる二粒子間あるいは平面(直径が無限大の粒子)と粒子間の付着カ。気相中の微粒子間付着力の中で最も支配的なもので,ファンデルワールスカに比べて約一桁大きくなる場合がある。基本的には,二粒子間の中心を結ぶ方向に作用する架橋液の表面張力と,架橋液の曲面内部に生じる負圧力の和に起因する。架橋液の形状は複雑な曲面となるが,鼓のようにくびれ(最狭部)をもった形状をしている。この最狭部の円周に表面張力を乗じたものが,表面張力による付着力である。一方の負圧による付着力は,最狭部の断面積にラプラス・ヤングの式から求まる圧力を乗じたものである。したがって,付着力は液架橋の最狭部の半径に左右され,たとえば粒子の大きさが一定であれば太い液架橋が形成されれば付着力は大きくなり,また,架橋液の形状が相似であれば付着力は粒子径に比例する。粒子と平板間の付着力は,その粒子と同じ大きさの等径二球間の付着カの約 2 倍となる。架橋液は通常は水であるが,水の中に含まれるわずかな溶解性の不純物が空気中の水蒸気をとり込むため,そのような不純物が多いほど大きな液架橋が形成され付着力も大きくなる。
→ 液架橋,ラプラス・ヤングの式,ファンデルワールスカ,ケルビンの式
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