液相吸着
liquid phase adsorption
溶液中における溶質分子の粉体表面への吸着をいう。液相中での固体表面と吸着分子との相互作用は,不活性気体の低温気相吸着に比べてはるかに強い化学吸着であり,溶媒分子の影響も考慮する必要がある。さらに粉体粒子表面の処理状態,粒子懸濁系の凝集・分散などの現象にも影響を受ける。
液相吸着の機構は,粒子表面の活性基との相互作用,イオンの静電気力,ロンドン・ファンデルワールスカなどがある。一定温度で溶液中の溶質濃度と浸漬した粉体表面の吸着量との関係から吸着等温線を求める。ラングミュアー型の単分子層吸着になることが多いが,BET II 型の多分子層吸着になることもある。
液相吸着の測定には特別な装置はなく,微小吸着量を精度よく測定できる定量法を用いる。吸着質分子として界面活性剤,色素,脂肪酸,ヨウ素などがよく用いられる。
工業的応用としては,脱色,脱臭,濃縮分離,イオンおよび有害物質や不純物などの吸着除去がある。
→ ラングミュアー型等温線,BET型等温線,ベット型等温線
【広告】