粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

HDC法

hydrodynamic chromatography method

 クロマトグラフィー法の一つで,狭い流路内の流体の速度勾配を利用して,粒子径分布を測定する手法である。流体の速度勾配のある狭い流路内では,粒子径の大きい粒子の移動速度が小さい粒子より速いことを利用して,試料を粒子径に関して分離する。狭い流路を実現させる方法に,数 µm 径の球形非多孔質充塡剤のすき間を利用する充塡型 HDC と,数 µm から数百 µm 径の細管を利用する細管型 HDC がある。前者は流路の屈曲部への粒子付着が間題となり,あまり使用されない。後者の数 µm 径の細管を用いた方法では,数分から数十分で測定が完了する。試料粒子と充塡粒子あるいは細管壁との距離が短いため,これらの間に働く静電気力やファンデルワールスカの影響を受け,粒子の流出特性が変化する場合が多い。このため再現性のある測定結果が得られるのは,ある試料粒子と界面活性剤水溶液の組み合わせに限られているのが現状である。

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/6/18

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