遠心力場における粒子の沈降速度は重力場の数百倍にできるので,液体中では約 100 µm 以上,気体中では約 30 µm 以上の粒子は主に遠心分級が可能である。遠心力をつくるには回転流が利用され,その形式として自由渦に近いサイクロンのような固定円筒内で流体のみが回転する場合と,回転体によってつくられる強制渦の場合がある。前者は構造が簡単であるが高濃度の場合,分級精度が低下する。後者は可動部分をもつが分級精度が一般に前者よりもよくまた高濃度条件でも性能低下が少ないが,回転部の粒子による摩耗が生じやすい。
→ 強制渦型遠心分級機,自由渦型遠心分級機
執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/6/23