回転により生じる遠心力を利用して固液分離や液液分離を行う装置で，遠心機ともいう。遠心分離機は分離の原理により二つに大別される。一つは遠心力場における沈降現象を利用する遠心沈降機で，沈降分離，沈殿濃縮，分級などを目的とする。他の一つは，スラリーを有孔回転体内に供給して遠心力によって脱液する遠心脱水機，および有孔回転体の内面にろ材（濾材）を設け，スラリーを供給して清澄液とケークとに分離する遠心ろ過機（遠心濾過機）である。遠心沈降機には，遠心効果がきわめて高い円筒型，遠心効果が中程度で液液分離に適する分離板型，濃厚スラリーの沈降分離や清澄化に適したデカンター型の三種類がある。遠心脱水機と遠心ろ過機は回分式と連続式に大別され，遠心効果はデカンターと同程度である。遠心分離機は他の分離装置に比べて装置の床面積を小さくできるという利点があるが，1 台当たりの処理量が小さく，操作費や維持費が比較的高いという欠点がある。