オストワルド成長
Ostwald ripening
液相中の分散粒子や,固体中の液相や気相など,媒質中の分散粒子が時間とともに成長する現象である。粒成長の一種であるが,特徴は粒子の間に第二相が存在する点である。この成長機構では,粒子を構成する物質が媒質中へ溶解あるいは蒸発して入り,その内部を拡散で移動し,さらに別の粒子の表面上へ析出することにより粒成長が生じる。この現象の原因は,粒子の表面曲率半径による粒子の蒸気圧や溶解度の変化である。それらは曲率半径の減少,すなわち粒子径の減少とともに増加するため,小さな粒子は,その周囲の媒質中へ溶け込み時間とともに消失する。一方,一部の大きな粒子は,周囲の溶質濃度が過飽和であるので成長する。すべての粒子のうち,平均径の 2 倍の大きさの粒子が最も成長速度が高い。その間,粒子径分布は一定に保たれ,その平均径は時間の 1/3 乗に従って増加する。
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