加圧流動層燃焼(PFBC)
pressurized fluidized bed combustion
流動層を圧力容器の中に設置し,加圧下で燃焼(約 850 ℃)を行い,層内伝熱管により加熱水蒸気をつくりスチームタービンを駆動する一方,高温排ガスでガスタービンを駆動してコンバインドサイクルを構成する燃焼装置。41 ~ 42 % の送電端効率が見込まれる。固定炭素分の多い石炭でも層内に浮遊させて燃焼できるため,適合炭種が広く,また,ベッド材(bed material)に石灰石を用い炉内同時脱硫を行うことにより,クリーンでフレキシブルな石油代替エネルギー変換システムを実現できる。ガス温度が低いため,アルカリ金属やばい塵に関するガスタービンの制約が少ない。1960 年代初期にイギリスで Hoy らにより構想が確立した。1980 年代になり,スウェーデンの ABB 社により,層粒子の出し入れによる負荷追従技術を組み合わせたシステムが完成し,1990 年代にはスウェーデン,アメリカ,スペイン,日本で 70 MWe クラスのシステム(テスト機を含む)が稼働し,2000 年代には 350 MWe クラスが商用運転を開始する。ガスタービンの保守上,セラミックフィルターによる高温集塵技術との結合が望ましい。また,熱分解ガス化炉とチャー燃焼炉を組み合わせ,ガス化ガスを燃焼させて 1300 ℃ 級の高温ガスタービンを駆動し,全体で 46 〜 47 % の送電端効率を実現する A(advanced)-PFBC の構想も進められている。
→ 多管式流動層
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