回折
diffraction
光が物体によってさえぎられるとき,その物体の影となる部分に光が回り込む現象をいう。これは光の波動としての性質によるものである。物体の近傍では散乱光は入射光とも干渉するが,無限遠方では散乱光だけの干渉が観測される。前者はフレネル回折と呼ばれ,後者はフラウンホーファー回折と呼ばれる。細いスリットや針金による光の回折では,それらに平行な明暗の縞が観察され,円形開口や不透明円盤では同心円状の明暗の模様が観察される。それらの縞の間隔はスリットの幅や円の直径の照射光の波長との比によって決まる。レーザー回折・散乱法は,粒子のフラウンホーファー回折像が粒子の大きさに関係することを利用した粒子径測定法である。
→ フラウンホーファー回折
【広告】