界面エネルギー,表面エネルギー
interface energy
物質の界面(表面)は,その内部に比べエネルギーの高い状態にあり,単位面積の界面がもつ余剰のエネルギーを界面エネルギーという。熱平衡状態にある物質は,その系の自由エネルギーが最も低くなり,系が最も安定する構造と形態をとろうとするため,その体積に対して表面積が小さい状態になろうとする力が働く。この力が,界面張力(表面張力)であり,蒸気中の液滴の成長や,溶媒中の結晶の成長といった,表面に存在する原子や分子の割合を減少させる現象の駆動力となる。逆に,表面の割合が小さい安定な状態から異なった状態に系を変化させるためには,仕事をしなければならない。たとえば,固体あるいは液体の内部構造を変化させずに,新たな表面をつくるためには,その固体あるいは液体を構成する原子と原子,あるいは分子と分子の間の結合や引力を切るためのエネルギーが必要である。系の温度を変化させずに,単位面積の新たな表面をつくるために必要な仕事量が表面エネルギーであり,自由エネルギーと潜熱の和となり,液体あるいは塑性変形しないぜい性材料(脆性材料)では表面張力に等しい。なお,固体表面では,表面の構造(角,稜,構造欠陥)に起因する過剰のエネルギーも表面エネルギーに含める。
→ 界面
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