粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

化学炎プロセス

flame synthesis

 化学炎プロセスでは,H2-O2 や CxHy-O2 系などによる火炎の中に金属化合物の蒸気を供給して,反応を起こし微粒子を製造する方法で,カーボンブラック,酸化チタン粒子の製造によく用いられている。このプロセスでは,1300 K から2000 K の比較的高い温度が達成され,酸化から還元反応条件下で,供給燃料は ms オーダーで反応する。その結果,急激に反応生成物のモノマーが形成され,均一核生成により多量の粒子が生成される。その後冷却とともに凝集体が形成されるが,鎖状凝集粒子が生成されることが多い。すす,カーボンブラック,SiO2 粒子は固体粒子の粘性が非常に高いので,衝突後の合体が非常にゆっくりとなり,凝集体が形成される。
 粒子のサイズおよび形状のほかに,結晶構造も制御される。たとえば,TiO2 粒子では,アナターゼ型よりも高い屈折率のルチル型が望まれ,この製造に適した反応炉温度などが選択される。

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/7/14

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