核化,ニュークリエーション
nucleation activation
気相,液相および固相中においては,化学反応もしくは物理的冷却により,後で粒子となる凝縮性物質が過飽和の状態となり,互いに衝突・合体および分子の脱離を繰り返しながら,分子の集合体である“クラスター”や“芽”と呼ばれる分子集合体が生成され,これを核として凝縮が起こり,粒子が発生する。これを均一(質)核生成(無核自己凝縮;homogeneous nucleation)と呼ぶ。イオンや外部粒子がすでに存在すると,過飽和度が低くてもこれらの凝縮核となり核化(activation)が生じ,粒子が発生する。この現象を不均一(質)核生成(有核凝縮;heterogeneous nucleation)と呼ぶ。
一般に,粒子半径 $a$ の液滴の表面蒸気圧 $p$ は,平面上の飽和蒸気圧を $p_{\infty}$,液の表面張力を $\sigma$,分子量を $M$ ,密度を $\rho$,温度を $T$,ガス定数を $R$ とすれば,次のケルビンの式
$$
\ln \left( \frac{p}{p_{\infty}} \right) = \frac{2\sigma M}{RT\rho a}
$$
で与えられるから,液滴表面の蒸気圧 $p$ が $p_{\infty}$ よりも低いときには,液滴は凝縮によって成長し,その逆のときには蒸発によって小さくなるか,消滅することになる。
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核生成
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