粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

拡散パラメーター

diffusion parameter

 気相および液相中に浮遊する微粒子の,円柱や球などの捕集体への,ブラウン拡散による沈着の程度をあらわる無次元パラメーターで,次式の $N_{\mathrm{D}}$ で定義される。 $$ N_{\mathrm{D}} = \frac{D_{\mathrm{B}}}{u_{0}D_{\mathrm{e}}} $$  ここで,$D_{\mathrm{B}}$ はブラウン拡散係数で,$D_{\mathrm{B}} = kTB = C_{\mathrm{c}}kT/(3\pi \mu D_{\mathrm{p}})$ であり,$u_{0}$ は捕集体への流体の接近速度,$D_{\mathrm{e}}$ は捕集体の代表長さ,$k$ はボルツマン定数,$C_{\mathrm{c}}$はカニンガムの補正係数,$T$ は絶対温度,$D_{\mathrm{p}}$ は粒子径である。
 この拡散パラメーターは,拡散方程式を無次元化したときの拡散項の係数である。したがって,その物理的意味は,微粒子のブラウン拡散量と対流量との比であり,無次元のブラウン拡散係数と考えることができ,また,混合拡散におけるペクレ数の逆数である。拡散パラメーター $N_{\mathrm{p}}$ の値が大きくなるほど,ブラウン拡散による捕集効果は大きくなり,理論的には,微粒子の気中および液中でのブラウン拡散捕集効率は,この無次元パラメーターに値に大きく依存する。

→  拡散捕集

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/05/06

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