化合物沈殿法
compound precipitation method
二種以上の金属陽イオンを含む溶液から,目的とする酸化物と同じ陽イオン比をもつ化合物の沈殿を生成させ,酸化物微粉体などを調整する方法。一般に,この方法では酸化物微粉体の前駆体となる有機化合物(たとえば,シュウ酸塩,クエン酸塩,カルボン酸塩など)を生成し,これらを熱分解して目的とする酸化物などを生成する。したがって,前駆体化合物中では分子レベルで目的とする微粉体の化学量論性を維持するが,仮焼中に組成の不均質の原因となる粒子の生成や再結晶化あるいは分離が生じる可能性があり,この場合は最終的に調整された微粉他の組成は分子レベルで均質とならない。たとえば,チタン酸バリウム微粉体を化合物沈殿法で生成する場合,前躯体となるシュウ酸塩などは分子レベルで化学量論性を維持している。しかしながら,熱分解過程でいったん炭酸バリウムと酸化チタンに分解するため,この方法で得られる微粉体の組成は分子レベルで化学量論性を維持できる訳ではない。
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