固体の熱分解や固相反応のための加熱操作であり,原料あるいは原料混合物を加熱して,結晶水の離脱,炭酸塩の分解,有機物の燃焼などを行う幅広い加熱操作をいう。具体的には,石灰石の加熱分解による生石灰の生成,マグネサイトの加熱分解によるマグネシアの生成,二水石こうの加熱による焼石こうの生成,水酸化アルミニウムの加熱によるアルミナの生成などの操作があげられる。仮焼工程においては,焼結や粒成長によって生成粉体の特性が変化するため,仮焼は,その後の粉体の成形性や焼結性にも大きな影響を与えることになる。
執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/7/27