過熱蒸気乾燥
superheated vapour drying
水や有機溶媒などの揮発性液体で湿った材料を,熱風乾燥の加熱空気の代わりに,飽和温度以上に過熱されたその液体の蒸気を用いて乾燥する方法である。材料への伝熱は過熱度(飽和温度との差)を推進力として熱風乾燥の場合と同様に行われるが,蒸発した蒸気の移動に関しては移動抵抗が実用無視できる点に特徴がある。気相は,蒸気のみであるため,蒸発面温度は操作圧力に対する飽和温度となり,圧力によって操作温度を容易に制御できる。また,湿り成分は沸騰と同様な内部蒸発を生じる状態となっているため,剛性が小さく含液率の多い材料では,この内部蒸発によって発泡膨化が起こる。水の乾燥を大気圧で行うと,材料温度は 100 ℃ となり,デンプンのα化などの加熱処理と膨化加工とを同時に行えるため,特殊な食品加工に用いたれる。
→ 乾燥装置
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