図は過飽和溶液の安定性に関する Miers の過溶解度の概念図を示し,沈殿法による微粒子の生成条件を評価するのに用いられる。a 点で示すように,後で微粒子となる物質がその飽和以下の濃度となっているとき,この溶液を徐冷していくと,飽和濃度の b 点に達し,その後過飽和の領域に入っていく。溶液から均一核生成により微粒子が発生するのは b 点ではなく,ある程度冷却が進んだ c 点に至って初めて結晶粒子が発生する。この c 点を種々の条件で求めると,結晶が発生する過溶解度曲線が実験的に求められる。過溶解度曲線と溶解度曲線に囲まれた領域は均一核生成の起こらない準安定領域と呼ばれている。