完全混合型晶析装置,MSMPR晶析装置
complete mixing crystallizer
装置内の母液および結晶粒子群がともに完全混合状態にある晶析装置。攪拌翼のほかに全体の循環流れを起こすためのドラフトチューブが備わっていることが多い。装置内にある結晶粒子群の特性(懸濁密度および粒子径分布)と製品として取り出される懸濁液中の粒子群特性とが同一であるので解析が容易である。単位体積当たりの代表径が $L$ [m] の結晶粒子群の密度関数 $n(L)$ [個 m-4] は,結晶粒子の成長速度 $G'$ [m s-1]と核発生速度 $B$ [m-3 s-1] および平均滞留時間 $\tau$ [s] の次のような関数である。これを利用して,製品結晶の粒子径分布から成長速度と核発生速度を決定することができる。 $$ n(L) = \frac{B}{G'}\exp \left( -\frac{L}{G'\tau} \right) $$ ただし,供給原料液中に結晶粒子がないこと,および成長速度は粒子径に依存しないという条件がある。この式から,粒子群の個数基準の平均粒子径は $G'\tau$ [m] で与えられ,単位母液体積当たりの結晶数は $B\,\tau$ [個 m-3] で与えられることが導かれる。
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