湿り材料から水分を蒸発させて除去する操作であり，蒸発に要するエネルギー供給法の違いにより対流乾燥，伝導乾燥，放射乾燥，に分けられる。湿り材料は，最初から固体を含有する不均質系と溶液やゲル状の均質系に分けられ，材料内の水分は，材料内の水の状態で移動または拡散して材料表面に達しそこで蒸発する場合と，材料内部で蒸発して蒸気の状態で表面に移動する場合がある。
　乾燥中には，湿り材料内部および（または）境膜内で，熱と物質の同時移動現象が起こっており，これらの移動抵抗の大小関係より種々の乾燥特性が現われる。対流乾燥は，湿り材料を熱風中にさらす最も一般的な方法で，境膜を通しての熱の供給と蒸発蒸気の除去という異なる役割を熱風が同時に果たしている。
　伝導乾燥は，加熱板のような高温物を湿り材料と接触させることで，材料表面に直接熱エネルギーを供給する方法であり，放射乾燥は，蒸発に要するエネルギーを電磁波（赤外線や高周波）の形で直接湿り材料に与える方法である。両者とも蒸発蒸気を除去するために気流が必要となる。

→　乾燥特性，乾燥速度，乾燥装置