粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

緩速凝集

slow flocculation

 液相中のコロイド粒子は一般に帯電しており,その帯電量が十分大きい場合,粒子は互いに反発し分散し,コロイド分散系を形成する。これに電解質を添加すると,表面帯電は添加濃度に応じて遮蔽され,粒子間反発力が小さいくなり,粒子の凝集速度が増加する。このように凝集速度は電解質濃度とともに増加するが,電解質濃度が限界凝集濃度以上になると,最大値をとり電解質濃度にかかわらず一定となる。限界凝集濃度以上の領域での凝集を急速凝集と呼ぶのに対し,それ以下の濃度領域での遅い凝集を緩速凝集と呼ぶ。(急速凝集速度)/(緩速凝集速度)の比を安定度定数 W と定義し,分散系の安定性の指標として用いられる。W = 1のとき急速凝集,W > 1のとき緩速凝集で,緩速凝集域では log W ∝ - log(電解質濃度)がほぼ成立し,W は電解質濃度の減少とともに指数関数的に大きくなる。

→ 急速凝集コロイド分散系帯電(液相中)

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/8/13

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