管摩擦係数
pipe friction factor
流体の管内輸送における壁摩擦による損失係数。$\tau_{\mathrm{w}}$ を壁摩擦応力,$U$ を流れの平均速度,$\rho$ を流体密度とすれば,
$$
\tau_{\mathrm{w}} = \left( \frac{\lambda}{8} \right) \rho U^{2}
$$
で定義される係数 $\lambda$ をいう。英米では $f=\lambda /4$ をいうことがある。$A$ を管横断面積,$P$ を管壁の周囲長さ,$\varDelta p$ を長さ $L$ 当たりの圧力損失とすれば,等流速では
$$
PL\tau_{\mathrm{w}} = A\varDelta p
$$
であるから,
$$
\lambda = \left( \frac{8}{\rho\,U^{2}} \right) \left( \frac{\varDelta p}{L} \right)r_{\mathrm{h}}
$$
である。ここで,$r_{\mathrm{h}}=A/P$ は流体平均深さである。直径 $d$ の円管内の流れでは $r_{\mathrm{h}}=d/4$ であり,$\mu$ を流体粘度とし,レイノルズ数を $Re = \rho\,U d/\mu$ で定義すれば,$Re≤2300$ の層流では
$$
\lambda = \frac{64}{Re}
$$
である。
乱流では粗さの平均高さ $\varepsilon$ が
$$
\varepsilon ≤ \frac{5\mu}{\rho}\sqrt{\frac{\rho}{\tau_{\mathrm{w}}}}
$$
の滑らかな管では,
$$
\frac{1}{\sqrt{\lambda}} = 0.86 \ln \left( Re \sqrt{\lambda} \right)-0.8
$$
の,
$$
\left( Re \sqrt{\lambda} \right)\left( \frac{\varepsilon}{d} \right)>200
$$
の完全粗面管では,
$$
\frac{1}{\sqrt{\lambda}} = -0.86 \ln \left( \frac{\varepsilon/d}{3.71} \right)
$$
の,滑らかな管と完全粗面の遷移域では,
$$
\frac{1}{\sqrt{\lambda}} = -0.86 \ln \left( \frac{\varepsilon/d}{3.71}+\frac{2.51}{Re \sqrt{\lambda}} \right)
$$
の実験式がある。非円形管の乱流の $\lambda$ は直径が $4r_{\mathrm{h}}$ の円管として求めることができる。
→
抵抗係数
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