緩和効果
relaxation effect
液中の粒子表面の拡散電気二重層の厚さ $(1/\kappa)$ が粒子半径 $a$ に比べてある程度の厚さを有する $0.1<\kappa a<100$ の領域において,粒子の表面電位が高い場合,電場中の粒子の泳動速度が速いため二重層は追随できず非対称となり,粒子の泳動速度は小さくなる。これを緩和効果という。Overbeekは緩和効果を考慮した泳動速度 $v$ を次のように与えている。
$$
v = \left( \frac{2 \varepsilon \zeta E}{3\mu} \right)f\left( \kappa a,\,\zeta \right)
$$
ここで,$E$ は電場強度,$\varepsilon$ は媒体の誘電率,$\zeta$ はゼータ電位,$\mu$ は媒介粘度,$f(\kappa a,\,\zeta)$ はOverbeekにより与えられる関数である。Wiersemaらは緩和効果を考慮した泳動速度を数値計算により求め,数表化している。
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電気泳動,
電気二重層,
ゼータ電位,
ヘンリー関数
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