気孔率
porosity
一個粒子の見掛けの体積あるいは粒子集合体である粉体の見掛けの体積に対する気孔体積の割合。一個粒子の気孔には図に示すように,粒子表面で開口している開気孔,凹凸,クラックなどと,粒子内部に閉じ込められている閉気孔があり,両者の気孔体積の和を考慮した気孔率,各気孔のみを対象とした開気孔率および閉気孔率の三種類がある。図中の破線で示した粒子外表面で囲まれたこれらすべての気孔体積を含む粒子の見掛け体積,$V_{\mathrm{S_{O}}}$,と固体体積,$V_{\mathrm{S_{S}}} = w/\rho_{\mathrm{S}}$($w$:粒子質量,$\rho_{\mathrm{S}}$:固体の真密度),により,一個粒子の気孔率は,
$$
\frac{V_{\mathrm{S_{O}}}-V_{\mathrm{S_{S}}}}{V_{\mathrm{S_{O}}}}
$$
で定義される。一個粒子内の開気孔体積,$V_{\mathrm{S_{OP}}}$,と閉気孔体積,$V_{\mathrm{S_{CP}}}$,は,
$$
V_{\mathrm{S_{O}}} = V_{\mathrm{S_{S}}}+V_{\mathrm{S_{OP}}}+V_{\mathrm{S_{CP}}}
$$
の関係があり,開気孔率は $(V_{\mathrm{S_{OP}}}/V_{\mathrm{S_{O}}})$,閉気孔率は $(V_{\mathrm{S_{CP}}}/V_{\mathrm{S_{O}}})$ となる。
一方,粒子集合体の気孔率は,粒子集合体の見掛け体積,$V_{\mathrm{B_{O}}}$,と粒子の見掛け総体積,$V_{\mathrm{B_{S}}}$,により,
$$
\frac{V_{\mathrm{B_{O}}}-V_{\mathrm{B_{S}}}}{V_{\mathrm{B_{O}}}}
$$
で定義される。$V_{\mathrm{B_{S}}}$ は,
$$
V_{\mathrm{B_{S}}} = \sum(V_{\mathrm{S_{O}}})
$$
の関係となる。気孔率を求めるのに必要な各気孔体積は, 水銀圧入法,ガス吸脱着法などで測定する。 ただし,図中のボトル型細孔のように開口部が狭く内部が広い細孔では,細孔径は開口部で決まるので注意が必要である。
→ 細孔,水銀圧入法
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