粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

気相析出反応,CVD気相反応

chemical vapor deposition

 ガスの化学反応により生成された凝縮性物質が過飽和の状態となると,凝縮性物質が固体となり析出する。析出する固体の形態は化学反応の種類,温度,ガスの濃度などに依存するが,一般に過飽和度が高い場合には気相中に微粒子が発生し,過飽和度が低い場合には固体表面上に薄膜,ウイスカーおよび結晶粒が形成される。これらの現象は,総称として CVD( chemical vapor deposition )と呼ばれ,前者は均一核生成現象,後者は不均一核生成現象が,主な固体の析出機構である。ガスの化学反応が生じるのは,燃焼加熱などの熱プロセス,プラズマ,放射線などの分解プロセス,レーザー,紫外線などによる光プロセスなどである。加熱された流動層内に反応ガスを導入すると,粉体粒子がシード粒子(種粒子)となり,粉体粒子の表面で固相が析出し,その結果粉体粒子のサイズが揃ったり,コーティングされた粒子となる。流動層によるシリコン粉の気相製造プロセスは,代表的な種粒子を用いた CVD 法による微粒子製造法である。酸化物,窒化物,炭化物など各種の微粒子が製造されており,化学反応の種類は,気相中での反応と固体表面上での反応に分類されるが,主に,分解,部分分解,酸化,還元,置換,交換反応などに代表される。

→ 均一核生成シード粒子

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/8/16

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