気中分散
dry dispersion
粒子集合体である粉体または凝集粒子を乾式で解砕・分離し,気中へ供給すること。乾式分級の前処理,集塵性能試験などのテストエアロゾル発生,粉体の空気輸送などで必要とされる操作である。
気中分散は,気中への粉体の供給と,供給された粉体(粒子凝集体)を一次粒子に近い状態まで解砕・分離する過程の二段階からなる。前者は分散により発生したエアロゾルの粒子濃度とその安定性に関与するが,これは主に粒子供給法の容量と定量性で決まる。このため,気中分散では,後者の凝集粒子を一次粒子に近い状態まで解砕・分離すること,すなわち,凝集粒子を解砕するための外力をいかに有効に粒子に作用させるかが重要な検討課題となる。凝集粒子を解砕するための外力としては,気流による加減速により生じる凝集一次粒子間での流体抵抗力の差,気流せん断力(剪断力)により生じる力,障害物への衝突により生じる衝撃力および機械的な解砕力が主として利用される。
また,粉体の分散においては分散させた粒子を再凝集させないことも重要であるが,液中分散とは異なり,気体中へ分散した粒子は粒子濃度を下げない限り人為的に再凝集を防ぐことはできない。
→ 分散機構,分散装置(気相)
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