キックの法則
Kick's law
粉砕に要する仕事量 $W$ は砕料の体積に比例し,一定量の砕料の粉砕に要する仕事量は粉砕比で決まる,とした粉砕仕事法則の一つで次式で表わされる。
$$
W = C\ln \frac{x_{\mathrm{f}}}{x_{\mathrm{p}}} = C\ln R
$$
ここで,$C$ は砕料によって決まる係数,$x_{\mathrm{f}}$,$x_{\mathrm{p}}$ はそれぞれ粉砕前後の粒子径を表わし,$R = x_{\mathrm{f}}/x_{\mathrm{p}}$ は粉砕比である。これは破壊直前までに固体に蓄えられるひずみエネルギーを粉砕に要する仕事量としている。上式を導くにあたりキックは以下の仮定を設けている。すなわち,粒子径 $x_{\mathrm{f}}$ の原料が何回かの粉砕を繰り返し,粒子径 $x_{\mathrm{p}}$ の砕成物 となるが,各粉砕での粉砕比,粉砕仕事量は一定である。砕料の強度は粒子径によって変化しない。このようにキックの法則は均一な固体の理想的な粉砕を考えているように思われる。
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粉砕仕事法則
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