キャピラリー数
capillary number
表面張力の関係する現象を定量的に評価するときに用いられる無次元数。粒子の代表径を $D_{\mathrm{p}}$ ,液体の密度を $\rho$,表面張力を $\sigma$ ,接触角を $\theta$,重力の加速度を $g$ とすれば,
$$
Ca = \frac{\rho g {D_{\mathrm{p}}}^{2}}{\sigma \cos \theta} \tag{1}
$$
がキャピラリー数の一表現である。また,遠心効果 $Z$ の遠心力場では,
$$
Ca = \frac{Z\rho g {D_{\mathrm{p}}}^{2}}{\sigma \cos \theta} \tag{2}
$$
となる。歴史的には湿潤粒子層内の粒子外に存在する含液量の定量的な関係を求める際に提案されたのがはじまりで,そのときには,
\begin{align}
& Ca = \frac{\rho g K \varDelta P}{L \sigma \cos \theta} \tag{3} \\[7px]
& Ca = \frac{Z \rho g K}{\sigma \cos \theta} \tag{4}
\end{align}
の形であった。$L$ は層厚,$\varDelta P$ は通気圧力,$K$ は粒子層の透過率。物理的な意味は,いずれも粒子層内に表面を形成して保持される液体に作用する表面張力と,その剝奪の原因となる力,重力,遠心力との比である。キャピラリー定数とは混同しやすいので注意が必要である。
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ドレイン高さ,界面エネルギー
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