粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

吸着熱

heat of adsorption

 固体表面に,気相中あるいは液相中の分子が吸着することにより生じるエンタルピーの変化をいう。気相あるいは液相中を自由に運動していた分子が,固体表面と相互作用し表面に拘束されるため,自由度が減りエントロピーが減少する。このとき,相互作用のエネルギ一と大きな凝縮潜熱が同時に解放されるため,吸着は発熱過程となる。等温吸着過程で発生する吸着熱から吸着分子の凝縮潜熱を引いた値は,吸着分子と表面との相互作用の強さを反映する。精密熱量計などを用いて求めた吸着熱量—吸着量の微分吸着熱は,浸漬熱と同様に固体表面と吸着分子の相互作用の強さや,固体表面の状態を解析する手段となる。

→ 浸漬熱

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/8/24

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