粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

凝集定数

coagulational constant

 気相および液相中に浮遊する直径 $D_{\mathrm{p}i}$,$D_{\mathrm{p}j}$ の二粒子が単位時間に衝突,付着する確率を凝集定数と定義し,$K(D_{\mathrm{p}i},D_{\mathrm{p}j})$ と表示する。二粒子のそれぞれの個数濃度が $n_{i}$,$n_{j}$ のときに,単位体積,単位時間当たりの衝突数は,$K(D_{\mathrm{p}i},D_{\mathrm{p}j})\,n_{i}\,n_{j}$ で表わせる。したがって,直径 $D_{\mathrm{p}i}$ の単分散粒子の凝集初期における粒子個数濃度 $n$ の減少速度は次式となる。

$$ \frac{\mathrm{d}n}{\mathrm{d}t} = -K_{0}\,n^{2} $$
 ただし,$K_{0}=0.5\,K(D_{\mathrm{p}i},D_{\mathrm{p}j})$ とする。
 ここで,$K_{0}$ を一定とし,$t=0$ で $n=n_{0}$ として積分すると,$t$ 秒後の粒子数濃度 $n$ は,次式となる。
$$ \frac{1}{n}-\frac{1}{n_{0}}=K_{0}\,t $$
 一方,粒子が多分散のとき,体積 $v$ 中の粒子の時間 $t$ における個数濃度 $n(v,t)\mathrm{d}v$ の変化速度は次式となる。
\begin{multline} \frac{\partial n(v,t)}{\partial t}= \frac{1}{2} \int_{0}^{v} K(v',v-v')\,n(v',t)\,n(v-v',t)\,\mathrm{d}v' \\ -n(v,t)\,\int_{0}^{\infty} K(v,v')\,n(v',t)\,\mathrm{d}v') \end{multline}
 凝集定数 $K$ および初期の粒子の粒子径分布粒度分布)がわかれば,上式を解くことにより,粒子径分布の時間的変化が求まる。その解法としては,(1) 解析解,近似解,(2) 平衡粒子径分布関数(平衡粒度分布関数)を仮定しての相似解,(3) 数値解 がある。

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/05/05

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