粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

凝集沈殿

flocculating sedimentation

 重力を利用した固液分離法の一種。水中の微細懸濁物を薬品(凝集剤や pH 調整剤など)を用いて粗大化することで,沈殿分離を容易にすること。凝集沈殿では凝集操作におけるフロック形成度合いが沈殿時の分離速度や清澄度合いを左右する。凝集操作は通常,急速凝集緩速凝集の二段階で行われる。前段階の急速凝集では,高速攪拌により薬品を混合し粒子を不安定化したあと,熱運動によりコロイド粒子の集合を図る。次に緩速凝集では,ゆるやかな攪拌や管路内の流れを利用して集合体を合一し,圧縮することにより沈降性のよいフロックをつくらせる。沈殿分離では,主に上水処理で採用されている円形あるいは長方形槽内で単にフロックを沈降させる方式,および排水処理で多く採用されているスラッジブランケットタイプがある。後者は槽内にフロックを常駐させることにより,フロックの圧密化に併せて微細なフロックの捕捉を可能とした装置である。

→ 凝集沈降装置スラッジブランケット型凝集沈降槽

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/8/24

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