ラテックスは,天然ゴムやミセル重合や乳化重合で合成された粒子径のよく揃ったサブミクロン高分子粒子の懸濁液であるが,たとえば天然のセルロースの誘導体ではこのような重合によって微粒子懸濁液を得ることができない。そのため,それらをいったん適当な溶媒に溶解してからそれを分散相として乳化させ,その後,分散相の溶媒を加熱などにより蒸発(液中乾燥法)させるなどしてサブミクロン粒子の懸濁液を得る。このような方法で調製される懸濁液を擬ラテックスと称している。代表的な製品としてはエチルセルロースの水系分散剤があり,コーティング剤として汎用されている。
→ コーティング剤
執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/8/30