クラスター
cluster
クラスターは粒子や分子の集合体を意味するが,粒子分散系の場合,液架橋力やファンデルワールス力などの粒子付着力によってできた集合体のことを凝集体(agglomerate)と呼び,流体力学的効果ないし衝突力学的効果だけによって形成される粒子の集合のことをクラスターと呼んで区別することが提案されている。
粒子の非弾性衝突はクラスター形成の一要因になりうる。しかし,流体中に存在する粒子に重力が作用している現実的な場においては,粒子間の流体力学的相互作用により粒子はクラスターを形成し,流体抗力のより低い状態ないし粒子分散系の位置エネルギーのより低い状態に移行する。
流動層(流体中に懸垂されている粒子群)の場合,流速が高速流動化開始速度を超えると,粒子群が不均一分散し,クラスターやストランド(ひも状・膜状の集合体)を形成して流体中に懸垂される高速流動化(fast fluidization)状態が実現される。粒子とガスの間の平均相対速度(スリップ速度)が高速流動層において個々の粒子の終末速度よりも著しく大きくなることは,クラスターの概念によって説明することができる。
→ 流体抵抗,流動層,高速流動層
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