クラリファイヤー
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液体の清澄化のために用いられる装置の総称。重力(凝集)沈降装置および遠心沈降機などがある。基本的な考え方を理想的な水平流型重力沈降槽で説明する。幅 $W$,高さ $H$,長さ$L$ の長方形槽に,$Q$ [m3 s-1] の懸濁液が断面一様に流入し,粒子は自由沈降しているとする。入口で槽上端から流入し,出口で槽底に達する粒子を考えると,この粒子より大きい粒子は沈降槽で完全に分離されうるから,このような粒子を分離限界粒子という。粒子が小さく,その終末沈降速度 $v_{\rm{tc}}$ がストークス式で表わされれば,分離限界粒子径 $D_{\rm{pc}}$ は
\begin{align}
D_{\rm{pc}}\ &= \sqrt{\frac{18\mu}{(\rho_{\rm{p}}-\rho)g}v_{\rm{tc}}}\\
&= \sqrt{\frac{18\mu}{(\rho_{\rm{p}}-\rho)g}\cdot\frac{Q}{LW}}
\end{align}
から求められる。$\rho_{\rm{p}}$ は粒子密度,$\rho$ は液密度,$\mu$ は液粘度,$g$ は重力加速度である。分離限界粒子より小さな粒子でも,より深い位置から沈降して槽底にに達すればある割合で分離できる。この粒子の沈降速度 $v_{\rm{t}}$ とすれと,部分分級効率 $\eta$ は次式で表わされる。
$$
\eta = \frac{v_{\rm{t}}}{v_{\rm{tc}}}=\left( \frac{D_{\rm{p}}}{D_{\rm{pc}}} \right)^{2}
$$
したがって流出液の清澄度合いは,部分分級効率の値をもとに見積もることができる。
→
凝集沈降装置,
沈降速度分布曲線,
遠心沈降機,
沈降分離装置
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