グリフィス・クラック
Griffith crack
材料の原子間結合力から計算されるぜい(脆)性材料の理論破壊強度,実測破壊強度とは激しい差がある。この差を説明するためにグリフィスは,固体内に無秩序に分布した微視的クラックを仮定した。実測強度に対応する外部応力を材料に加えた場合,微視的にはクラック先端に理論強度を超える応力の集中が起こり,クラックが進展し破壊に至るものと考え,破壊の初期において次の関係式が成り立つことを明らかにした。
$$
F = K\left( \frac{Y\sigma}{L} \right)^{\frac{1}{2}}
$$
ここで,$F$ は抗張力,$Y$ は材料のヤング率,$\sigma$ は表面張力,$L$ はクラックの長さ,$K$ は定数を表わす。
なお,材料に応力が加わった場合,最も弱い向きの最も大きいクラックの先端を起点として破壊が起こるため,クラックの分布により破壊強度の分布を説明することができる。
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