粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

クーロン力

Coulomb force, Coulomb's force

 帯電している微粒子間や粒子と壁間には,クーロン力,影像力,誘起力などの静電気力が作用するが,クーロン力は最も代表的な力で,クーロンの法則に従う。電気集塵静電フィルターでの微粒子の捕集は,主にこのクーロン力による。電界 $\boldsymbol{E}$ 中の帯電粒子(電荷 $q$)には,次式で示されるクーロン力が作用する。 $$ \boldsymbol{F} = q\boldsymbol{E} $$  さらに,電荷 $\rm{d}Q$ をもつ帯電微小物体と帯電粒子の間に作用するクーロン力は,次のように表わされ,両者が同符号では斥力,異符号では引力となる。 $$ \rm{d}F = \frac{q}{4\pi \varepsilon r^{2}}\rm{d}Q $$  ここで,$\varepsilon$ は媒体の誘電率,$r$ は粒子と物体間の距離である。帯電粒子の周囲に多数の帯電物体が分布しているときは,上式を積分する必要がある。
 互いに反対符号で,それぞれ一様に帯電した球形粒子(粒子径 $D_{\rm{p}}$,表面電荷密度 $\sigma$)間に働くクーロン力は,電荷がそれぞれの粒子の中心に集中していると近似することにより,次式で与えられる。 $$ F = \frac{\pi {D_{\rm{p1}}}^{2}{D_{\rm{p2}}}^{2} |\sigma_{1}\sigma_{2}|}{\varepsilon \left( D_{\rm{p1}}+D_{\rm{p2}} \right)^{2}} $$  ここで,添え字 1,2 はそれぞれの粒子に対応する量であることを表わす。 $$ D_{\rm{p1}}=D_{\rm{p2}}=D_{\rm{p}},\;\; |\sigma_{1}|=|\sigma_{2}|=\sigma $$ とすると,上式は次のようになる。 $$ F = \frac{1}{4\varepsilon}\pi {D_{\rm{p}}}^{2} \sigma^{2} $$
→  静電気力パラメーター

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/05/06

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