形状係数,形態係数
shape factor
粒子形状を定量的に表現する指標の一つで,粒子を球とみなしたときの立体幾何的諸量,あるいは,物理特性に対する補正係数である。前者を幾何学的形状係数,後者を力学的形状係数と呼ぶ。
体積や表面積などの r 次元の幾何量 Qr は,代表径 xβ により Qr = Ψxβr と与えられる。このとき,Ψ が幾何学的な形状係数を与える。幾何量は 1 粒子に対して定義されるが,測定は困難である。粒子群において,粒子数が既知であるならば平均的な形状係数を求めることができる。
力学的な形状係数は,実際の粒子の運動特性,たとえばストークスの沈降速度や流体抵抗と球のそれに対する比で,抵抗力形状係数や動力学的形状係数がある。力学的な形状係数は,ストークスの抵抗則が成り立つ領域での楕円体や板状,針状粒子に対して理論値が与えられている。
このように,形状係数は個々の粒子の幾何学的形状そのものを表示するものではないが,実用的な面からみると,形状を表現した指標として使うことができる。
→ 粒子形状
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