ケークレスろ過,ケークレス濾過
cakeless filtration
微細な懸濁微粒子をろ過(濾過)する場合,ろ液(濾液)の流れ方向がスラリーの供給方向と一致する通常のデッドエンドろ過(デッドエンド濾過)では,ろ過の進行とともにろ過ケークが成長するためろ過速度(濾過速度)が次第に低下し,実用上これが最も大きな問題となる。このため,ろ過操作中にケーク表面に到達する粒子を掃流してケークの成長をできる限り阻止する種々の方法が考案されている。最も代表的なものは,スラリーをろ材(濾材)面と平行に高速に流動させてケーク表面に到達する粒子を掃流するクロスフローろ過(クロスフロー濾過)であり,そのほかに,ろ過器内に円板を設け,これを高速回転させて高せん断力(高剪断力)を発生させる回転円板型ろ過,共軸二重円筒の両円筒間にスラリーを圧入し,円筒を高速で回転することによって発生するテイラー渦流を利用する回転円筒型ろ過,膜面近傍で板を膜面に平行に振動させる振動型ろ過などがあり,これらは総称してケークレスろ過,または薄ケーク層ろ過,ダイナミックろ過と呼ばれる。
→ 回転円筒型ろ過器(回転円筒型濾過器),回転円板型ろ過器(回転円板型濾過器),クロスフローろ過(クロスフロー濾過)
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