結晶化現象
crystallization phenomena
気体,液体および固体の均一相から新たな結晶相が出現する現象。一般に核化(核発生,核形成)とこれに続く成長の二つの過程からなる。固体からの結晶化現象としては多形の転移や非晶質固体の結晶化がある。核化は過飽和状態からの自然な核化を表わす一次核化と,結晶粒子の存在に基づく二次核化とに分類される。一次核化に際しては,新たな界面の形成による自由エネルギーの増加に打ち勝つだけの過飽和度(化学ポテンシャル差)と大きさ(体積)が必要であり,過飽和度に大きく依存する。二次核化では結晶の懸濁密度や攪拌条件が大きく影響する。発生した核は過飽和状態の溶液(蒸気または固体)から結晶化成分が移動してくるために次第に成長する。これには,溶液本体から結晶表面への結晶化成分の物質移動,結晶表面で結晶格子に組み込まれる表面集積,さらに結晶化熱を放出する伝熱の三つの速度過程が関与している。
→ 結晶化速度
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