粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

ゲルキャスティング法

gelcasting

 成形原科の流動過程(賦形)と固化過程(保形)を本質的に分離して均一な成形体を得る成形法の一つで,ラジカル重合する有機物モノマー溶液にセラミック粉末を高濃度に分散させ,これを鋳型に流し込み,重合開始剤によって適当な時間経過後に in situ に重合反応を進行させ,セラミック粒子を網目中に保持した湿潤ポリマーゲル状の成形体を得る方法である。通常のゾル・ゲル法が無機ゾル粒子の生成とそれらの凝集によってゲル化をさせるのに対し,ゲルキャスティング法では,セラミック粉末自体には何も変化せずに分散媒中の有機モノマーの重合によるゲル化が起こる点が異なる。ゲル化が一様に進行するため,複雑形状のニアネットシェーピングが容易である。また型には金属,プラスチック,ガラスなどが使用でき,多孔質型を必要としない。

→ ニアネットシェーピング

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/9/16

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