砕料の比表面積は,粉砕時間あるいは粉砕エネルギーの増加とともにはじめは増加するが,やがて一定値に達する。このときの比表面積 $S_{\infty}$ を限界比表面積という。粉砕過程における比表面積 $S$ と粉砕時間 $t$(粉砕エネルギー $E$)との関係は次のように表わされる。
$$
S = S_{\infty}\left\{ 1-\exp (-kt) \right\}
$$
ここで,$k$ は定数である。時間 $t$ は粉砕エネルギー $E$ に比例することから,$t$ を $E$ として表わすこともできる。上式は田中によって提唱されたものであり,田中の粉砕限界比表面積の式ともいう。
執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/05/07