降下ばい塵
dust fall
大気中の粉塵の中で地表面に重力降下するものをいう。浮遊粒子状物質が 10 µm 以下の粒子と定義されているのに対し,降下ばい塵は粒子径上の定義はなく,10 µm 以下の粒子も雨水への同伴などで降下ばい塵として一部採取される。降下ばい塵の測定にはデポジットゲージやダストジャーと呼ばれる器具が使用され,屋外の適当な場所を選んで30日間放置し,捕集された堆積物の中で明らかに降下ばい塵でないと判別される木の葉などを取り除いたあと,ろ過(濾過),乾燥,秤量する。降下ばい塵は t km-2 月-1 [30日] の単位で表わされ,測定装置の設置場所,気象条件などの影響が大きく,データのばらつきも大きい。測定は古くは昭和初期から始められ,図は東京都における戦後の降下ばい塵の経年変化を示している。その後さらに値は減少し,1996 年度の全国 16 地点での年平均値は 3.6 t km-2 月-1(1998 年環境白書)であった。しかし,近年ダイオキシン類が気中から土壌や水への移動する経路として,降下ばい塵への関心が高まっている。
→ 浮遊粒子状物質,デポジットゲージ
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