構成方程式
constitutive equation
ほとんどすベての現象は保存則(運動量保存,エネルギー保存,質量保存)(釣り合い式)によってその現象の支配方程式を得るが,そのままでは未知数の数が方程式の数より多く,解くことはできない。たとえば簡単のために流動している流体を考えると,運動量保存則からナビエ・ストークス式の前段階の式が三方向について得られ,質量保存則より連続の式が得られる。式の数は合計四つであるが,未知数は速度が三方向で三つ,静圧,応力が τij = τji を用いて六つあり,合計 10 個となる。この未知数を減らし,式の数と一致させて,支配方程式が解けるように保存則とは全く別の観点から,すなわち物質の物理的性質から導出される方程式(関係)を構成方程式という。ニュートン流体ではニュートンの粘性の法則がこれに相当し,応力とひずみ速度の関係を表わしている。材料の変形のように静力学的な変形においては構成方程式は応力とひずみの関係となり,物質の物理的性質から導出され,もっとも有名な式はフックの法則である。粉体については静止あるいは流動状態を問わず,汎用性のある構成方程式はまだ明らかになっていないといってもよいのではないだろうか。塑性ポテンシャルを仮定して導出された式や塑性流体のアナロジーより得られた式がある程度である。
→ 塑性ポテンシャル,応力ひずみ関係式
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