硬度
hardness
他の物体によって変形を与えられるとき呈する抵抗の大小を表わす尺度。よく使われる言葉であるがその内容は複雑で,部分破壊,変形も含めた広い意味での破壊現象にかかわっている。硬さの概念を明確に定義するのは難しく歴史的に次のような試験法が用いられてきた。
- ひっかき式(モース硬度):一番古く,硬さを定量的に表わそうとした最初の測定法で,10 種類の標準物質(滑石をモース硬度 1,ダイヤモンドを 10)を用いて試験片にきずをつける方法で,変形と破壊が同時に含まれる判定基準。
- 押し込み式(ブリネル硬度,ビッカース硬度,ロックウェル硬度,ヌープ硬度):焼入鋼あるいはダイヤモンドからできた球,円錐,角錐を一定荷重で試験片に押し込み,くぼみの深さあるいは面積から硬度を求める。変形の大小が判定基準。
- 衝撃式(シェアー硬度):先端にダイヤモンドなどの硬質の物質をはめ込んだ標準物体を一定の高さから落下させ,その反発高さの大小が判定基準。この方法によると鋼よりもゴムのほうが硬いという結果となる。
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