液中の懸濁粒子を凝集分離するために用いる水溶性高分子をさす。カチオン性，ノニオン性，アニオン性高分子があり，吸着高分子による帯電表面の遮蔽や粒子表面間の架橋などのメカニズムにより粒子を凝集させる。前者の場合には粒子電荷とは対イオン化する高分子を用い，後者の場合は粒子表面への吸着能の高い高分子を用いればよいことになるが，一般には分散粒子の表面物性が不明で，分散系にあった凝集剤の選定は難しい。高分子凝縮剤の特徴は，凝集力が強く極少量の添加で巨大フロックの形成が可能で，強力な水処理剤である点であるが，未反応のモノマーが混入している危険性があり，使用範囲が限られる。一般に高分子凝集剤によるフロックの構造は綿状であるが，その添加法や凝集剤の組み合わせにより，締まった構造の大きなペレット状の凝集体をつくることも可能である。また高分子凝集剤には最適凝集剤濃度が存在し，それ以上の濃度では吸着高分子が保護膜となり，粒子分散状態は再安定化されるので注意が必要である。

→　凝集剤，凝集沈殿，沈降速度，フロック