固結
caking, settling, solidification
粉体層が熱,間隙流体などの影響により,粒子間に結合力が生じ,固体化する現象をいう。固結を生じる原因には以下がある。
- 粒子の接触点近傍が熱により溶融して結合する。
- 接触点において化学反応により結合が生じる(一般に水などの異種成分が介在する)。
- 硬化性のバインダーにより粒子間に架橋が生じる。
- 吸湿・水溶性粒子において接触点近傍に液体架橋が生じ,乾燥過程で再結晶することにより固体架橋となる。
これに対して,貯蔵や供給などのバルクハンドリングにおいては固結は好ましくない現象として取り扱われ,その場合の主な原因は (4) である。水分の関与する固結においては,粉体に水が添加されたり,水蒸気吸着が生じたり,可溶性粉体が吸湿融解して表面に飽和溶液層を形成したりしたあとに,水分の除去(湿度低下,温度上昇,結晶水,構造水への変化など)により,微小な結晶が析出し,粒子集合体を固塊化させる。したがって,貯槽における固結発生の有無・難易は,物質そのものの性質(溶解性など),粒子および集合体の性質(粒子径,接触条件,含水量など),外部条件(温度,湿度,圧力,放置時間など)によって異なる。固結の防止法としては,以下の方法があげられる。
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