混相流,多相流
multiphase flow
物質は固体,液体,気体のいずれかの状態で存在するが,その状態を相といい,固相,液相,気相と呼んでいる。この三つの相のうち二つ以上の相が混在している流れを混相流という。通常,混相流では存在している相間に強い相互作用が働き,各相の運動を連立して取り扱わなければならない。ただし,清浄空気中の微粒子の運動のように粒子濃度が希薄な場合は,空気から粒子への影響のみを考えればよいが,広義にはこのような流れも混相流の一種と呼んでいる。混相流の多くでは連続体として存在する連続相と粒子状になって存在する粒子相(また離散相)に分けられる。これらの混相流の問題を解く方法は,連続相はもちろんのこと粒子相も連続体として二つの連続体間の相互作用を基本として解く二流体モデルと,連続相は連続体としてオイラー的に解き粒子相は基本的には粒子一個一個をラグラジアン的に解き連立して相互作用を明らかにするオイラー・ラグラジアン法の二つに大別できる。固相,液相,気相の三相すべてが同時に存在する混相流を三相流といい,各二つの相が存在する流れを二相流というが,それらについては各項目を参照されたい。
→ 二相流,三相流
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