最小流動化速度,流動化開始速度,最低流動化速度
minimum fluidization velocity
粒子充塡層の下部から流体を流しその流速を上昇させていくと,ある流速以上では粒子層が流動化をはじめる。このときの流体の空塔速度を最小流動化速度といい,この状態を最小流動化状態という。最小流動化速度には,流動化開始速度,最低流動化速度の語も使われる。
粒子充塡層の下部から流体を流入させると,流速が低い場合には,流体が粒子層内の空隙を流れるため粒子層は静止状態にあるが,流速を次第に上昇させると粒子層内を通過する流体の圧力損失が層内の単位断面積当たりの粒子重量に匹敵するようになり,粒子充塡層が少し膨張して層内の各粒子は非常に動きやすい浮遊状態となって流動化状態へと移行する。したがって,最小流動化速度は流体の圧力損失と粒子重量の釣り合いから求めることができる。次式はこのようにして導出されたもので,最小流動化速度の推算によく利用される。
$$
\frac{1.75}{{\varepsilon_{\mathrm{mf}}}^{3}\phi}{Re_{\mathrm{mf}}}^{2} + \frac{150\,(1-\varepsilon_{\mathrm{mf}})}{{\varepsilon_{\mathrm{mf}}}^{3}\phi^{2}}Re_{\mathrm{mf}}=Ar
$$
ここで,
\begin{align}
Re_{\mathrm{mf}} &= \frac{D_{\mathrm{p}}u_{\mathrm{mf}}\rho_{\mathrm{g}}}{\mu}\\[10pt]
Ar &= \frac{{D_{\mathrm{p}}}^{3}\rho_{\mathrm{g}}(\rho_{\mathrm{s}}-\rho_{\mathrm{g}})g}{\mu^{2}}
\end{align}
であり,また,$u_{\mathrm{mf}}$ は最小流動化速度, $D_{\mathrm{p}}$ は粒子径,$\phi$ は粒子の形状係数,$\varepsilon_{\mathrm{mf}}$ 最小流動化状態の空隙率,$\rho_{\mathrm{s}}$ と $\rho_{\mathrm{g}}$ はそれぞれ粒子と流体の密度,$\mu$ は流体の粘度,$g$ は重力加速度である。
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