粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

サイロ有効容積

effective volume of silo

 サイロの容積には,サイロの形状・寸法から決定される幾何容積と実際に貯蔵物を投入した場合の貯蔵物容積があり,この貯蔵物容積のことをサイロ有効容積と呼ぶ。有効容積 $V_{\mathrm{E}}$ は,投入位置および安息角などから決定される貯蔵物の実効容積であり,幾何容積 $V_{\mathrm{W}}$ から有効容積を差引いたものをロス容積 $V_{\mathrm{L}}$ と呼び,次式で表わされる。

$$ V_{\mathrm{L}} = V_{\mathrm{W}} - V_{\mathrm{E}} \tag{1} $$
 Vaillantによれば図 (a) に示す円筒形貯槽のロス容積は次式で求められる。
\begin{multline} V_{\mathrm{L}} =\kern0.3pt _{C}{f_{L}}\, R^{3} \tan \phi_{r} =\\ \frac{4}{3}R^{3} \left[ 3F\,\int_{0}^{\pi/2} \cos ^{2} x \sqrt{(1-F)+F \cos ^{2}x}\,{\mathrm{d}}x \right. \\ \left. + \int_{0}^{\pi/2} \left\{ (1-F) + F \cos ^{2} x \right\} ^{3/2}\,{\mathrm{d}}x \right] \end{multline}
 ここで,
\begin{align} F &= \left( 1-\frac{a}{R} \right)^{2} \\[8pt] V_{\mathrm{W}} &= \pi R^{2} H + \frac{1}{3} \pi R^{3} \tan \alpha \\ \end{align}
 である。$_{C}{f_{L}}R^{3}$ は円筒形貯槽のロス係数と呼ばれる。矩形貯槽(図 (b))に対しても,ロス容積は次式で表わされ,サイロ有効容積はこれらの式より計算される。
\begin{align} V_{\mathrm{L}} &=\kern0.3pt _{S}{f_{L}}\, \ell ^{3} \tan \phi_{r} \\[8pt] V_{\mathrm{W}} &= LBH_{2} + \frac{1}{3}LBH_{1} \\ \end{align}
 ロス係数は円筒形貯槽,矩形貯槽についてそれぞれ図 (c) のような値で与えられる。


サイロ有効容積
サイロ有効容積
執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/06/16

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