単一粒子が一様な入射光に照射されるとき,全方向に散乱される光の総エネルギーを入射光強度で除すると面積の単位を有する量が得られる。これをその粒子の散乱断面積という。つまり入射光強度に散乱断面積を乗ずると散乱光の総エネルギーが得られる。散乱断面積と粒子の投影面積との比を散乱効率という。空間単位体積当たりに含まれる粒子の散乱断面積の和を散乱係数という。透明な球形粒子の散乱断面積は,レイリー散乱領域では粒子径のほぼ 6 乗に,粒子径が波長に比べ十分大きな領域ではほぼ 2 乗に比例する。
執筆者:粉体工学用語辞典
編集:松山達(創価大学)
更新日:2021/10/14